「だれに」「なにを」「どうやって」という売れる仕組みを作ること
これがマーケティングです。
とマーケティングとはなにかの記事でご案内しました。
今回は、マーケティングの中でも最も重要な「だれに」に焦点を絞ってお話してみましょう。
マーケティングでの「だれに」とは
「だれに」「なにを」「どうやって」という売れる仕組みを作ること
というマーケティングの定義で、最初に出てくる『だれに」とは、
あなたのお客様はだれですか?
という質問です。
「だれに」あなたの商品・サービスを提供するのでしょう?
製造業に在籍していた期間が長かったので、ここのところはしっかりとお伝えしたいところです。
通常、商品・サービスは技術のリソースによって作られることが多いのです。
お客様不在のネットワークカメラ商品企画
ボクの経験をお伝えしましょう。
いまやあたり前の商品となっているネットワークカメラ。
この商品を最初に考えた時は、2000年ごろです。
そのころはAV機器メーカーで企画という立場で仕事をしていました。
当時のAVメーカーでは初めて、社内ベンチャーのような形でネットワーク関連事業部ができました。
LAN関連商品を開発していたのですが、そこに外部の技術関係の方から紹介されたのが「CMOS」と呼ばれる撮像素子です。
今ではほとんどのカメラに「CMOS」が撮像素子として装着されています。
しかし、当時はでたばかりのころで、画素数も30万画素しかなかったのです。
現在のデジカメに装着されている「CMOS」は1000万画素以上ですから、当時の映像の画質がいかに貧弱なものだったかがわかります。
さて、この「CMOS」素子は、とても簡単に映像信号をデジタル信号に変換できるというスグレモノだったのです。
そこで、デジタル信号になった映像は、意外に簡単にネットワークで伝送できたのです。
こんな経緯で、いままでテキストや簡単なイラストくらいのデータしか扱わなかった、ネットワークに映像を流そうという商品アイデア、つまりネットワークカメラの商品アイデアがでたのです。
そして、そのネットワークカメラのアイデアは、すぐに商品企画へと進んだのでした。
ここまで、「CMOS」という優れた素材があり、それを応用してネットワークカメラを創ろうという商品企画をしたのです。
ここで、気がついて欲しいところがあります。
それは・・・・・
ネットワークカメラを使う人はだれなのか??
ネットワークカメラを「だれに」提案したら購入してもらえるのか?
ここが全く考えられていないことに、気がつきましたか。
まさにお客様不在の商品企画です!!
それでも、技術の観点からするととても面白く、しかも日本国内ではほとんどどこのメーカーも手掛けていない分野だったのです。
それもそのはず、IT系のメーカーはネットワーク関連商品にしか目が行かない。逆にAV関連メーカーはカメラ機器にしか目が行かない。
そんな時期でしたから、AVメーカーの中にできたベンチャー事業部ならではの発想でネットワークとAVを融合させた、素晴らしいアイデアの商品だったのです。
ところが、「だれに」販売するのか、そのお客様はどんな使い方をするのか、そしてその使い方に満足できる性能・機能がネットワークカメラに搭載できるか???
このような部分の議論がほとんどなく、先端技術を使って世の中に今までなかった商品を打ち出すことだけに集中していたので、商品企画でミスしたのです。
なので、実際に商品になったネットワークカメラの初号機は、カメラのとしての性能は満足が行かず、ネットワークも現在のように伝送容量がなく、映像を伝送するには力不足、更には、ネットワークカメラの使い方、アプリケーションも無理やりくっつけたようなビューイング、つまり映像を見るだけ、監視までもいかないモノとなってしまったのです。
なぜ、このような結果になったのでしょう。
それは、マーケティングが不在の商品企画だったからです!!
なかでも「だれに」がまったく調査されずに、「なにを」を作ってしまったため、「どうやって」売るのかもほとんど暗中模索の状態で商品となってしまったのでした。
では、どのようにして商品アイデアから商品企画に進めていけばよいのでしょう?
アイデアから企画へ
アイデアと企画は違います。
アイデアは、実現するしないは関係なく、こんなのがあったらいいなぁ~という、ホントにアイデアです。
しかし、企画は違います。
企画は商品企画であれ、営業企画であれ、実行可能でなくてはなりません。
そこには当然のことながら実現可能な裏付けが必要です。
また、企画は調査した結果において実現可能というところまで詰める必要があります。
企業活動では、アイデアから企画にするには、市場調査をして事業として成立すること、つまり投資回収ができて利益が出せるという前提で企画になります。
ボクが事業企画をしていた経験からすると、100のアイデアから企画になるのは1~3程度です。
上のネットワークカメラの例で言えば、ひとつのアイデアをそのまま調査をせずに企画にしてしまったから犯したミスでもあります。
さて、アイデアを企画にするには、最初に手を付けるのは市場が本当にあるのかどうかです。そのためには、そのアイデアを欲している人、市場ニーズと言っても良いかもしれません。
つまり、マーケティングでいうところの「だれに」をしっかりと明確にしていかなければ、市場調査も覚束ないということになりかねません。
ここで、ひとつの例をあげてみましょう。
婚活の「だれに」とは
以前、婚活アドバイザーの方のマーケティングをやってみたことがあります。
この婚活アドバイザーの方は、女性で30代後半から50代で結婚を希望している方が、アドバイスする対象だと云われていました。
通常、婚活というと未婚の若い女性を連想します。
しかし市場の状況を考えてみると、未婚の女性を相手にした婚活市場は大手が数多く競っており、個人事業主が、大手を相手に戦うことは無謀だということがわかりました。
そこで考えたのが、「だれに」を上記のように多少お歳をめした女性に絞ることでした。
これなら、大手もあまり力を入れてないだろうし、実際お客様になる女性も大手には入りにくいかもしれないという仮説を立てたのです。
それでも調べていくと、未婚のなかでも更に分類ができたのです。
それが、離別・死別の独身者です。
そう再婚希望の女性を対象にしたらという発想です。
いままで婚活というと未婚の女性という概念で考えていたのを、いわゆるバツイチを対象にしようという発想の転換です。
このように、マーケティングの「だれに」は、ちょっとした発想の転換をすることにより、どんどん変わっていくので、最初に明確な「だれに」を決めて置くことがとても重要です。
マーケティングの「だれに」のまとめ
以上のように、マーケティングで「だれに」というのは、最も需要な要素のひとつであることがお分かりなったかな。っと思います。
「だれに」を明確化することが、しいては「なにを」を更に明確して、「どうやって」というところまで影響してきます。
次からはその辺りを中心に、進めていく計画です。
いかがでしたでしょうか?
みなさんのお役に立てると嬉しいですね!
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