マーケティング 市場調査

婚活ビジネスの市場規模・動向と戦略づくり+集客のヒント

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夏休み、お盆に帰省する人も多いですよね。
最近は少し緩和されたか、交通渋滞や新幹線のラッシュ・・・

帰省するにしても、30歳を過ぎた方々には少しアタマが痛いかもの、親から云われる「あなた、そろそろ結婚しなさいよ」コール!

婚活ビジネスで、婚活カウンセラーや婚活アドバイザーなどをお仕事としていらっしゃる方には、必見の内容ですよ!

ます、今や当たり前となった婚活ビジネスの実態を調べてみることにしました。

婚活ビジネスの市場規模

婚活ビジネスは、その昔は結婚相談所として全国のアチラコチラに散在していました。

というよりも、おせっかいおばさまたちが見合い写真を持って、お年ごろの方の家に直接伺い、ご両親にお子さんのお見合いを紹介するマッチメーカーなかたも、多くいらしたようです。

ところが、近年では結婚する年齢が上がってきたこと、生涯独身の方々もどんどん増えてきたことなどから、婚活ビジネスはだんだんと盛況となり成長産業となっています。

それはツヴァイや、パートナーエージェント・オーネットなど婚活の大手企業がひしめいてきていることで立証されています。

IBJ(日本結婚相談所連盟)の市場予測

IBJという組織は、全国の結婚相談所を取りまとめる組織で2015年の公表値によると、全国約 1,030 社の加盟結婚相談所と会員約 54,000 名となっています。

例えば、大手のツヴァイは全国展開していますが、店舗数は56店舗。オーネットは全国42支社しかありません。

そういう意味ではIBJの組織は、婚活業界をほぼまとめていると云っても過言ではないかと考えます。

そこの2013年に出している下図を見ると、市場全体で1800万人がサービス対象=ターゲットの人口と読んでいます。

婚活市場規模

このターゲットは、20歳~44歳と定義しています。
そして、潜在ターゲットは総数1800万人の1/3の600万人と推測しています。

結婚サービスを現在利用している利用者数を約60万人、未婚者数の3%、潜在ターゲットの10%と見込んでいます。

その内訳で、IBJの会員数が54,000人ですので、IBJの市場占有率を9%と見ている事がわかります。

会員が1年間に婚活に使う金額を平均30万円~40万円と仮定すると、この市場約1800~2400億円程度、ざっくり云って2,000億円規模と推計ができます。

この30~40万円の内訳は、IBJが自社のホームページで紹介している、「事業成功の可能性を高める売上構造 7つの収入源」のページで、モデルケースから推計しています。

それによると収入源として

  • 入会金:30,000円
  • 活動サポート費:50,000円
  • 月会費:10,000円/月
  • お見合い料:5,000円/回
  • パーティー参加:10,000円/回
  • その他サービス:10,000円/回
  • 成婚料:200,000円

となっています。
会員としての支払いは具体的に、成婚料は別にすると、月会費だけで12万円、お見合いとかパーティーなどの出費など合わせると年間平均30~40万円という数字はかなり近いものと考えます。

婚活市場の推移と将来予測

婚活市場が、今後どのように推移していくのかを、いくつかのデータを元に予測します。

いま婚活ビジネスをしている方、これから婚活ビジネスをしようという方はこちらの事実を受け止めて、ご自分の婚活ビジネスを見直すきっかけにしてみてください。

生涯未婚率

婚活ビジネスでは、未婚率が上昇するということは仕事が減るということですね。

まずはこちら、生涯未婚率です。このグラフは内閣府男女共同参画局より引用しています。

生涯未婚率

これを見ると分かる通り、生涯未婚率は年を追うごとに上昇して、平成22年度で男性は5人に一人、女性でも10人に一人は生涯未婚です。

このグラフから今後も未婚率が上昇傾向になると予測されますので、結婚サービス業としての婚活ビジネスは、今後増えないのではないかと予測されますね。

つまり、市場規模の減少が予想できます。

日本の人口推移

じゃぁ、ほんとにダメかどうかを人口分布から推計してみましょう。
よくある、人口分布図がこちらです。

人口分布図
出典 総務省統計局刊行,総務省統計研修所編集「日本の統計 2010」

この人口分布図を見ると、未婚人口の多い20歳くらいから40歳くらいの分布は減少傾向だということがわかります。

しかし、同時に35歳から38歳あたりの第2次ベビーブームの人口が多いですね。
例えば、ここを婚活ビジネスのターゲットにしたらいかがでしょうか?

婚活ビジネスというと、最初に若い未婚の男女を思い浮かべます。

しかし、今後はこの中年層のセグメントの人口は増えることが明確です。
とすると、婚活市場規模として大きなところ、人口が多い世代を選択することはそれだけビジネスチャンスが広がるということですね。

以上のデータから、今後の婚活ビジネスの市場は減少傾向であるということがわかります。

ただ、中年層のところにはビジネスチャンスがありますね!!

具体的な婚活ビジネスのモデルケース

今回は、横浜南区に事務所を持つ婚活カウンセラーの方をモデルケースとして取り上げて、実際に婚活ビジネスのマーケティング戦略の骨子を作っていきます。

最初に「だれに」ターゲットを決める

婚活カウンセラーという商品・サービスを持っていても、その商品を買ってくれる人を探す、または自分で決めないとマーケティングでは次に進めません。

こちらの横浜市南区在住の婚活カウンセラーの方にお話を聞くと、

女性が結婚を「焦り始める」のが33歳くらい、ところがそのころは仕事も遊びも楽しいから、つい流される・・・そして気づくと35。
あれこれ婚活スタートするも、まだ捨てきれないものが多く、うまくいかない・・そうこうするうちに38.出産も考えるともう遅いくらい!早くなんとかしないと!というのがここからかな、と。実際にお客様としての声がこんな感じなのです。

38~48くらいをターゲットのつもりでいこうと思います。

実は38~48だと、なかなか成婚につながらないことが多いようなのです。そんな人たちは、婚活疲れや失望で過ごすのは嫌だし、望みは持っていたい、でも不安、と感じているので、どうしてうまくいかないのかを見直し、前向きに、その人らしく結婚に希望を持って過ごせるようになる、そんなお手伝いになったらと思うのです。

まぁ、このようなご意見でした。
そこで、実際にこちらの婚活カウンセラーの方がお住まいの、横浜市南区とその周辺で38歳から48歳の独身女性がどのくらいいらっしゃるのか?

ここを調べてみました。
調査の方法については、同じように再婚活をテーマにした「市場調査の方法 インターネットを活用した情報収集」を参照していただければ幸いです。

そして、出てきた数字がこれです。(クリックで拡大します)

横浜市婚活市場規模

この表から、横浜市在住で38歳~48歳の独身女性は71,670人ということがわかります。
未婚者が49,832人ですね。ここで独身者は未婚者だけではないことに注目してください。

なぜかというと、未婚者は、最初に調べたIBJではないですけど、大手の婚活サービス業者がターゲットして見込んでいます。

しかも、未婚者はさまざまな広告や宣伝を見て、大手の婚活サービスの存在を知っています。

ということは、ここをターゲットにすると、大手の婚活サービス業者と競合することになりますね。これはできれば避けたいです。

個人経営の事務所で湯水のごとく広告・宣伝などの販促を使うことはできません。
ならば、もっとニッチなマーケットに絞り込んでマーケティング活動を実施するのが、成功に導かれる方法だと思いませんか?

そこで、注目したのが独身者での「死別」「離別」です。

これらの方々は、一度結婚してらっしゃいます。
ということは、婚活カウンセラーとして結婚についてのうんちくを語る必要が、あまりないと言えますね。

なので、単刀直入に本題の婚活についての話ができます。話が早いということです^^

さらに、一度結婚されているし、結婚の理想像とかでなく現実の姿をとらえているので、結婚相手に対する要求がとても具体的になります。
つまり、カウンセリングがとてもスムーズにいくことが予測されるのですね。

それでは、超具体的に横浜市南区と隣接する港北区で、「死別」「離別」の38歳から48歳までの女性がどのくらい存在するのか? これを調べました。

横浜市南区と港北区のターゲット規模

この表から、ターゲットになる市場の規模は、3,048人となりました。
約3,000人規模がこの婚活アドバイザー事務所の近郊であることがわかります。

1日に2人のカウンセリングを行うことを考えると、1,500日分ありますね。
たとえ、このターゲットの内10%の方が実際にカウンセリングに来ていただけるとしても、150日分です。

10%は大きいと考えますか?
でも、考えてみてください。ここまで絞り込んできたターゲットを対象にしていますので、「やる気満々の人に、どうですか?」って聞いているようなものではありませんか?

これは、かなりの確率でヒットすると考えるのが正当ではないでしょうかね。

婚活ビジネスでのサービスの価格を決める

どんな商売でも、商品・サービスにつける値段はとても大切な要素です。

安くつけると、ただ忙しいだけで十分な利益が取れません。
高くすると、集客が難しいという事態になる可能性があります。

婚活サービスを行なっている方の現在の値付けは、

 個人セッションで、90分で1万円

この値段が、はたして適切かどうかを検証してみましょう。

他社の価格を調査してみる

データとして、大手・準大手の値段を調べたのが、これです。

競合価格

お見合いの相手を紹介するのがカウンセリングということにすると、1ヶ月に必要な金額の平均は、この表から約31,000円となりました。

さて、今回の婚活サービスを行なっていらっしゃるカウンセラーの方の料金、90分10,000円というのは、少し安すぎるということがここから見えてきます。

もっと高いところに値付けをしても大丈夫そうです。

この平均31,000円という数字、冒頭の市場規模の推計で年間一人あたりの婚活に使う金額30~40万円というのがここでも裏付けできますね!

お客様は、婚活サービスにどのくらい払えるのか

実際に値付けをするのに、お客様がどのくらいの収入があるのかがわかると、ある程度推測ができます。

そこで、これもネットで調べてみました。

神奈川県の平均年収

神奈川県の女性(平均年齢39.8歳)の年収は400万円という結果です。
1ヶ月あたり27.7万円の収入があることになります。

これから、婚活サービスに支払われる金額を約10%と仮定すると27,700円ですね。
なので、90分10,000円というカウンセリング料金は、もっと値上げが出来る可能性があります。

90分 18,000円程度の料金設定をしても、大手に十分太刀打ちできるのみならず、お客様のこのくらいならという金額に収まりそうだという予測ができますね。

この金額、前の金額10,000円に対して80%も増加しています。
ということは、今まで1日3人で30,000円だったところが、54,000円になります。

つまり、1日2人で今までは20,000円、新価格にすると36,000円。今まで1日3人よりも稼げるという事実を認識してくださいね^^

どれだけ個人事業主としてのキャッシュフローが改善されるか、わかりますね^^

横浜南区在住の婚活カウンセラーのマーケティング施策の検討

ここまでのまとめをしてみましょう。

  • 事務所周辺でのターゲット規模は、約3,000人(年間)
  • 大手の婚活サービス会社に比べて、現在の料金は安い
  • ターゲットのお客様層はお金持ちじゃないか 年収400万円。現在の料金を値上げして利益を大幅改善できる

こんなことがわかりました。

それでは、最後に販促施策を考えてみましょう。

ターゲットのおさらい

  • 年齢:38歳~48歳
  • 属性:死別、離別した独身女性
  • 住居:横浜市南区、港北区

ここでも、大手の婚活サービス会社と比べて一味違う施策を取り入れることで、一般的な結婚相談所やサービス会社と差別化を試みることにします。

そうすると次のような、チョット他では真似のできないサービスも思いつきますね!

  1. バツイチ限定婚活カウンセリング
  2. バツイチOnly女子会
  3. 死別Only婚活カウンセリング
  4. バツイチ婚活マインドブロックをはずす会
  5. 再婚専門スピリチュアルカウンセリング
  6. バツイチ限定、婚活占いつき女子会

この普通のサービスに冠をつけるだけで、「あっ、ひょっとしてそれ私のこと?」と思えるようなサービスになっていませんか??

そして、これらの集客にはネットはもちろんですが、地域が決まっているということを考慮に入れると、チラシ効果も期待できます。

ターゲットになる女性が普段から立ち回る場所、例えば美容室、カフェ、レストランなどを調査して、そこにチラシを置いてもらいましょう。

これでほとんどの施策が出来上がっている感じではありませんか??
ここまでくれば、あとは実行するかしないかです!

婚活ビジネスの市場規模・動向と集客のヒントのまとめ

婚活ビジネスの市場規模は、約60万人 ざっくり2,000億円程度である事がわかりました。

今後、日本の人口が減っていくに従い市場規模も減る傾向と予測されます。

ただし、第2次ベビーブームの40歳前後の人口は多いので、そこをターゲットとするビジネスはまだ行ける可能性が大です。

具体的に、横浜市南区在住の婚活カウンセラーの例を使って、数値化したターゲット市場・価格設定・サービス施策について、仮説の例を上げて、検討してみました。

最後に、これらを実行することで仮説の検証ができ、次の仮説を立てることができるようになります。

マーケティング活動では、この仮説検証を速く回転させることで、ビジネスを成功に導くことができるようになります。

いかがでしたでしょうか?
みなさんのお役に立てると嬉しいですね!

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