マーケティング用語の中には、単に英語を訳しただけの意味とは違った意味に使われる用語が数多くあります。
特にこれからご紹介する「メディアの種類」という分類で使用されている言葉
- 「オウンドメディア」(Owned Media)
- 「ペイドメディア」(Paid Media)
- 「アーンドメディア」(Earned Media)
はその英語から推測するメディアと少し違うので注意が必要です。
いわゆる業界用語は一般的ではないので、そこから順を追って今回はご紹介していきます。
目 次
「オウンドメディア」(Owned Media) 「アーンドメディア」(Earned Media)「ペイドメディア」(Paid Media)のpoeメディアの種類
メディアとは何でしょう?
まずはここから。
「マスコミ」、「マスメディア」の同義語として用いられることが多い。すなわち、不特定多数の受け手を対象に情報を発信するような新聞、テレビ、ラジオなどを指す。特に、報道の役割に注目している文脈で用いられることが多い。また、これらを特に「マスメディア」と呼ぶこともある。(日本語版wikipediaによる)
この記事で使っているメディアとは、不特定多数を対象に情報を発信するコミュニケーションの媒体です。
人と人のコミュニケーションの間に入って媒介するものということです。
インターネットが普及して現在のようなインターネットでなんでもできるような時代になる前は、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「書籍」などをいわゆる「マスメディア」という呼ばれ方をしていました。
しかし、インターネットの飛躍的な普及後は、メディアの種類も多様化してきています。
インターネット・メディアの種類・特性と既存メディア媒体の比較の記事に詳細を記載していますので、ぜひ参照してください。
インターネットが一般化してメディアが変化した
インターネットメディア(デジタルメディア)がもたらしたメディアの変化について、現在では様々なメディアの総称(呼び名)にも変化が起きています。
既存のメディアは、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「書籍」が4大メディアと言われ、売り手と買い手とのコミュニケーションの場という位置づけです。
インターネットがこれら既存メディアを段々と凌駕して、ネットとリアルの融合などと呼ばれ、現在ではメディアを、既存のメディアとインターネットメディアを統合して、見ていこうという概念になって来ています。
マーケティングの業界では、次の3種類のメディアで既存のマスメディアとネット上のデジタルメディアを括っています。
- ペイドメディア(Paid media):メディアを買う<広告>
- アーンドメディア(Earned Media):評判を得るメディア<ソーシャルメディア>
- オウンドメディア(Owned media):自分で所有するメディア<自社WEBサイト>
マーケティングの業界では、これら3つのメディアを「トリプルメディア」(poe)なんて云う言い方もしています。
Facebookが2004年にスタートして、SNSは世界中に広がりを見せていた2009年にアメリカで「トリプルメディア」が定義されました。
そして、日本でも翌年以降「トリプルメディア」という言葉がマーケティング業界では広く使われるようになりました。
このような書籍も2010年に出版されています。
ただ当時は、ほんの一握りのマーケッターのみが知るという実態でしたので、広く認知はされませんでした。
このトリプルメディアについて少しだけご説明しましょう。
オウンドメディア(Owned Media)
トリプルメディアの最後がオウンドメディアです。
Ownという英語は「自分の」という意味です。
したがって、オウンドメディアとは自分のメディアです。
例えば、自社のホームページ、ブログ、Facebookページ、Twitterなどなど、自社で管理しているものすべてがオウンドメディアです。
なんだ、そんなことか? とお思いかもしれません。
ここで重要なのは、ホームページやブログなどがメディアとして機能しているかということです。
この記事の最初に定義しているように、
「メディアとは、不特定多数を対象に情報を発信するコミュニケーションの媒体」
のことです。
自社のサイトには、
「アクセスしてきたお客様に役に立つ情報、お客様の悩みを解決できるに十分な内容」
の記事が掲載されているのかというところが重要です。
2010年くらいまではホームページというと自社のカタログ的要素が強く、カンパニープロファイル(会社案内)のようなホームページがほとんどでした。
最近でも会社案内の代わりにホームページをと考えていらっしゃる企業も多くあります。
しかし、それではアクセスしてこられたお客様とのコミュニケーションはとれません。
つまり、これではここで言うところのメディアとして機能していません。
ペイドメディア(Paid Media)
ペイドメディアというのは、英語のPaid(お金を支払う)という意味で、お金(費用)がかかるメディアのことです。 いわゆる宣伝広告ですね。
マスメディアの代表、テレビは今でも絶大な影響力を持った媒体(メディア)です。
テレビ視聴率の調査方法とテレビ広告はなぜ高いのかの記事では、視聴率主義に走るテレビについて書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、ペイドメディアである雑誌の広告についても、起業したての会社を狙ってタレントを使った取材商法の手口を詳細にご紹介している記事広告と取材商法(タレントインタビュー)で雑誌掲載の効果は?の記事で言及しています。
このように、ペイドメディアは昔からのリアルメディアではもちろん、WEB上でも展開されています。
その主たるものが、バナー広告ですね。最近では動画を使ったバナー広告も、数多く見受けられます。
ペイドメディアのメリットは、不特定多数のお客様に短期間で接触できることです。
そのため効果がわかりやすく、また広告をする企業の意思通りに訴求することが出来ます。
潤沢な投資資金を持った大企業を中心とした、ペイドメディアの活用は、既に皆さんご承知のとおりですね。
アーンドメディア(Earned Media)
アーンドメディアとは、あまり聞いたことがない方が多いのではないしょうか。
通常は、earnという英語は「稼ぐ」とか「もうける」「獲得する」などの意味です。
ところがマーケティング業界では、Earned Media(アーンドメディア)のことを
ソーシャルメディアなどの外部メディア。商品を売り込むことが目的なのではなく、そこにいるユーザーからの信頼や知名度を「得る」ことが目的とされる。(Markezinのアーンドメディアより)
と定義しています。
アーンドメディアとは消費者やユーザーが情報の起点となり、アーンド(earned)=信用や評判を獲得する、ブログやSNSなどをアーンドメディアです。
なので、Eraned Media(アーンドメディア)はFacebookやTwitterなどのSNSであるといってよいでしょう。
もう少し説明すると、ソーシャルネットワークサービスをつかって、自分の商品・サービスを売り込まないでお客様(見込み客)から信頼や知名度を得ることと言えます。
さらに、アーンドメディアは企業のブランディングにもつながってきます。
みなさんのホームページはいかがですか?
メディアとして機能していますか?
企業やご自分の考え方や方針であれば、問題ありません。
ホームページやブログをメディアとして情報発信していく媒体と考えている場合は、ホームページ/ブログ制作の方針を考える必要があります。
つまり、ホームページやブログを使ってWEBでマーケティングや仕事をしようとする場合です。
ホームページやブログを自分のメディア(オウンドメディア)にする方法
ホームページやブログを自分のメディア(オウンドメディア)にするにはどうすればよいかを、これからご紹介していきます。
メディアとして機能するということはお客様(買い手)とのコミュニケーションを取る場という位置づけです。
したがって、単に自社の商品・サービスを説明しているだけでは、ホームページに訪れたお客様とのコミュニケーションを取ることができません。
お客様とのコミュニケーションをとるには、アクセスしてきたお客様に
「あ~! これこれ、これが私の知りたかったこと!!」
「なるほど、この商品にはこんなメリットがあって、費用対効果もこれほど高いんだ!」
「へ~、このサービスが、こんなことろこまで出来るとは目からうろこだなぁ~!」
などといった役に立つ情報や、商品サービスの上っ面を説明するのではなく、深くお客様へのメリットが書かれている記事が必須です。
そして、役に立つ記事・深く探求された記事によって、お客様から信用・信頼を獲得して、実際の商売へ結びつくマーケティング手法が、コンテンツマーケティングです。
ビジネスを飛躍させるコンテンツマーケティング
コンテンツとは、様々なものがあります。
例えば今読んでいるこの記事もコンテンツです。
その他に、コンテンツは動画、画像、電子書籍などもコンテンツに該当します。
このタイの保険会社の動画は、2800万回以上再生されています。
そして、見る人に共感を得て、最後に出てくるURLとロゴで、保険に興味を持った人を誘導する仕組みとなっています。
これも、コンテンツマーケティングと云えますね。
もちろん、WEB上なみならずリアルの世界にもたくさんコンテンツが存在しています。
しかし、コンテンツマーケティングの思想の根底にはつねに、
「お客様ににとって価値がある情報(コンテンツ)を提供すること」
という概念があります。
なので、コンテンツマーケティングでは、お客様に価値あるコンテンツを提供し続けることが一番重要なのです。
そして、そのコンテンツを通じて、お問い合せ、資料請求、最終的には商品・サービスのお申し込みまでを獲得するところまで実践することが、コンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングは、潜在ニーズにもアプローチできる
コンテンツマーケティングって聴いたことある人も、ない人も、これを見ると、なるほど旬なトピックスなんだと認識していただけます。
このグラフは、グーグルトレンド(Google trend)をつかって、コンテンツ・マーケティングの検索トレンドを2004年からグラフ化しています。
青いグラフが、世界のコンテンツマーケティングのトレンドを示しています。
そして、赤いグラフは日本のコンテンツマーケティングのトレンドを示しています。
このグラフを見れば一目瞭然で、コンテンツマーケティングが、2011年あたりから飛躍的に検索のトレンドになっていることが伺えます。
日本でも、絶対数が少ないので世界と比較というわけにいきませんけど、2014年あたりから伸びできているのがわかります。
コンテンツマーケティングは、お客様の顕在ニーズのみならず潜在ニーズをも喚起することが可能です。
その理由は、コンテンツにあります。
サイトを訪れるお客さま視点で、お客様に役に立つ記事を書いていくと、どうしても量と質が必要です。
なので、様々な視点から記事を構成していくので、顕在ニーズを取り込むことはもちろん、潜在ニーズをも取り込むことができるようになります。
コンテンツマーケティングを使ってオウンドメディアを構築
上記のようにコンテンツマーケティングの手法を使って、サイトを構築していくことにより、サイトにアクセスしてくるお客様に役に立つ情報を提供します。
そして、多くのアクセスと記事への共感を得ることにより、サイトのブランディングができるにようになってきます。
最終的には、その自社サイトはメディアとしての機能を果たすようになります。
これがオウンドメディアです。
オウンドメディア構築の難点は、量と質を伴った記事を提供し続けることが簡単ではないこと。また、中長期的な視点でメディア構築を実施する必要があるので、即効性がないということが挙げられます。
しかし、6ヶ月・1年・3年といったスパンでとらえた場合には、成果を得やすいメディア作りとも云えますね。
オウンドメディアでコンテンツマーケティングを行った場合には、自社のホームページでは発信できないような要素も発信が可能になります。
例えば、自社の商品・サービスだけでなく市場に出回っている商品・サービスを自社のものと絡めて紹介する。
さらに海外に目をやると日本国内には、まだ投入できていないような商品・サービスでも自社の商品やサービスを絡めることにより、その商品・サービスのメリットやデメリット、さらには潜在ニーズの先取りなどコンテンツマーケティングを展開することが可能になってきます。
メディア(ペイド、オウンド、アーンド)の種類の違いとコンテンツマーケティングのまとめ
マーケティング業界でトリプルメディアと言われているものは次の3種類です。
- ペイドメディア(Paid media):メディアを買う<広告>
- アーンドメディア(Earned Media):評判を得るメディア<ソーシャルメディア>
- オウンドメディア(Owned media):自分で所有するメディア<自社WEBサイト>
最近の傾向は、コンテンツマーケティングの手法を使って、オウンドメディアを構築することです。
コンテンツマーケティングは、「お客様ににとって価値がある情報(コンテンツ)を提供すること」であり、以前のように自分の商品やサービスを売り込むマーケティングとは正反対の手法です。
中長期的にWEBマーケティング戦略を考えるベースとしてのコンテンツマーケティング、オウンドメディア構築は、今後企業のマーケティング活動の主流にもなる可能性がありそうですね。
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