フリートーク

14面体の音場型スピーカー「sight」ってどんな音だったか?

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア

今回は、マーケティングからすこ~し趣向を変えて、昔とった杵柄でMade in Japanのスピーカーをご紹介します。

そのスピーカーは、一般的な正面を向いているスピーカーではありません。

sonihouse(ソニハウス)という奈良のスピーカーメーカーが作っている、多面体のスピーカーです。

 sight(サイト)

音場型のスピーカーシステム

一般的にステレオシステムのスピーカーは、こんな感じですね。

いでじん宅で、もう30年くらい鎮座しているJBLの4310。
外見はそれなりですが、中味は元スピーカー設計者のいでじんが好きなように改良した逸品です^^

JBL4310

普通スピーカと言うと、部屋の壁面の左右に置いて、2つのスピーカーから奏でられる音楽を聴きますね。

これはスピーカーから出てくる音を直接的に聴いています。

音の伝わり方1

ただ、こういった設置型のスピーカーシステムでは、床や写真のように台の上に置いたスピーカーが床からの反射や、スピーカー周りの壁面の反射など様々な音の反射により、耳に到達する音にスピーカーから発せられる直接音と床やかべの間接音の間に位相のズレが生じて、なんとなく違和感のある音になることがあります。

直接音を聴くスピーカーとは違い、間接音を中心に音を聴かせる「音場型」スピーカーがあります。

VICTOR GB-1H 音場型 球形スピーカー

1974年に日本ビクターが発売した球形の「GB-1H」というスピーカーがあります。
「GB-1」という最初のモデルは、1960年代に発売され改良を重ねて「GB-1H」が出来ています。

Victor GB-1

このGB-1Hは、低音用の13Cmのコーンウーファーを4個と、高音用の7Cmのやはりコーンツイータを4個組み合わせて、合計8個のスピーカーユニットをABS合成樹脂のキャビネットに配置した構成のスピーカーシステムです。

このスピーカーを天井から吊るして、鳴らすと部屋の空間一杯に音場ができ、どこで聴いても違和感のない音を聴くことができました。

しかもウーファーにドイツのクルトミューラーのコーン紙が使ってあったので、とてもそんな小さな口径のウーファーが鳴っている音ではなく、すばらしい音質でした。

1979年から4年ほどに、スピーカー設計者として日本ビクターに在籍しており、当時神奈川県の大和市にあったステレオの生産工場のスピーカーシステム試聴室で、JBLやTannoyなど内外一流のスピーカーと一緒に「GB-1H」の音を聴いて、音の広がりやヌケの良い音にびっくりしたことを覚えています。

BOSE 901 音場型 スピーカー

アメリカのスピーカーメーカー「BOSE」は有名ですね。
そのBOSEがスピーカーの世界で一世を風靡したモデルに、901があります。

BOSE901

このスピーカーは、MITのボーズ博士の理論に基づき、1968年に発売され40年以上に渡る超ロングセラーの音場型スピーカーシステムです。

11.5Cmのコーンスピーカーを背面に8個取り付け前面に同じスピーカーユニットを1個配置したものでした。

こちらも音を鳴らすと音場が広がり、どこに居てもすこぶる良好なステレオ感と抜けの良い音を聴かせてくれていました。

アンプとの間に独自のイコライザーをはさみ、電気的に多少いじってはありましたが、低音から高い音まで素直に伸びて、スッキリした臨場感を味わうことができるスピーカーシステムです。

sonihouse 14面体スピーカー “sight”

これが、sonihouse オリジナル14面体スピーカー “sight”

sonihouse オリジナル14面体スピーカー “sight”

この普通とはちょっと変わった形のスピーカーは、高音用のツイーターが1本、フルレンジのスピーカーが4本ひとつの筐体に入っています。

ここでのポイントは、対面にスピーカーを配置したことでしょう。

位相を使って振動板の振動を抑制する

このようにスピーカーを対面に配置したことで、両方のスピーカーの振動板のピストン運動を打ち消し合って、音のひずみの原因ともなる振動を少なくすることが出来ています。

振動板の振動を抑制することで、音の解像度が高くなりクリアな再生音を出すことに成功しています。

さらに天井から吊るすことにより、広い空間に置いた音場型スピーカーシステムと言う感覚になります。

理論的には点音源で、音が音源のまわりに放射されることで理想的な音場を創ることができます。

このsonihouse オリジナル14面体スピーカーは、この点音源の考え方をとてもよく取り入れられているスピーカーシステムです。

sonihouse オリジナル14面体スピーカーを聴いてきました

実際に音を聴いてきました。

場所は、田園調布・自由が丘などオシャレな街が多い東急東横線沿線の学芸大学駅から徒歩3-4分くらいの住宅街にある、タイポグラフィを中心としたグラフィックデザインの本を扱う古書店「BOOK AND SONS 」

Book and sons

BOOK AND SONS

4月にオープンしたばかりのお店、そこになぜこのスピーカーなんでしょう?
それは、お店のブログに書いてありました。

チョット見落としそうな住宅街にあるこのお店、とても古本屋さんとは思えないオシャレな空間です!!

Book and Sons

Book and Sons

少し上を見ると天井から吊るされた、sonihouse の「sight」があります。

sonihouse「sight」

お店ではBGMを流すということで、本を選んでいるお客様を邪魔をしない音量です。

しかし、天井から吊るされたスピーカーシステム「sight」は、とても良い音空間を創造しています。

自然の音の広がりと、「sight」独特の対面にスピーカーを配して出てくる音に最も影響する振動板(コーン紙)の振幅を抑えることで、歪の少ないヌケが良く楽器や声の分離の良い再生音になっています。

sonihouse オリジナル14面体スピーカー “sight”

sonihouse の「sight」は、想像していたよりも小型のスピーカーシステムで自宅のリビングでも使えそうな感じです。

以前のステレオシステムのスピーカーのように、正面きって「いい音聴くぅ~」とう聴き方ではなく、リビングで気心の知れた仲間と一緒にアフタヌーンティーでスイーツや、上質なワインなど片手にゆっくり話をするなんて云うシチエーションには、ピッタリする音空間を創ってくれそうです。

そんな素敵な音を自宅でも聞きたくなってきちゃいました。

この記事は、下記のご協力を得ております。
 sonihouse
 BOOK ANDSONS
ありがとうございました。

コメント

  1. 松本勝 より:

    素晴らしいスピーカーを製造企業の在る奈良市の「ふるさと納税」で貰える商品になっており人気が出ています。FBで紹介しましたら音源に付いてのご質問がありましたのでこちらの情報をご紹介させていただきました。
    http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4051243?f=y
      

    1. idegene より:

      松本さま、

      大変貴重な情報をありがとうございます。
      「sight」欲しいです!!

コメントを残す

*